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MT免許を保有している高齢ドライバー御用達のセダンなのに「MT」が設定されないワケ (2/2ページ)

MT免許を保有している高齢ドライバー御用達のセダンなのに「MT」が設定されないワケ

現代のATは性能やコスト面でのデメリットが解消されてきた

 セダンに限らず、いまや乗用車のAT率は98%以上。一部のスポーツカーを除けば、ほとんどのクルマはAT車だ。国産各社の4ドアセダンでMT車が設定されているのは、トヨタ・カローラアクシオ、マツダ・アテンザ/アクセラ、ホンダ・シビック、スバルWRX STIぐらい……。

 なぜ、セダンのMTは少ないのか? 結論からいうと、ずばり需要が見込めないから。かつてのATは、3速ATや4速ATが普通だったので、ギヤレシオが荒く、しかもMTよりも複雑で部品点数が多い分、ミッション自体の重量が重くて価格も高価だった。そのため排気量が大きく低速トルクに余裕があり、車両価格が高い高級セダンからATは普及していった歴史がある。

 ご存じのとおり、日本の道路は高速道路も市街地も幹線道路も渋滞している時間が非常に長い。一般道では信号も多く、住宅街では路地も多々あり、とにかくストップ&ゴーが多い。おまけに平地が少なくアップダウンが多いことを考えれば、一度AT車を愛車にしてしまったら、よほど物好きではない限りMT車に戻りたい人は少ないだろうし、そういう人はそもそもAT車を選ばない。

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