良くはないと思いながらもゆとりをもった運転ができない事情も
ここに大きな理由が隠されている。それは燃費を落としたくないからだ。もちろん急いでいるからというのもあるだろうが、リミッターが付いているので、強引に前に行ってもあまり変わらない。トラックの燃費は高速道路でだいたい3〜4km/Lぐらいで、一般道で信号が多いと1km/Lぐらいだったりする。低回転が得意なディーゼルゆえ、高速でグンと伸びないのは痛いところだ。
さらに燃費が一気に悪化するのが、加減速。ブレーキをかけて減速するのはいいが、そこからアクセルを踏むと一気に燃料が食われしまう。これを防止するためには一定速度&アクセル開度で走るのが基本になるので、お互い譲り合いながら走り続けるわけだ。そこに普通車が混ざると、まさにフォーメーションの中に入り込むことになり、お互いに悪者扱いとなることも多い。
トラックドライバーに聞いても、「悪いな」と思っている人が多い。最近はトラック業界もコンプライアンス遵守などに厳しくなってきたためなおさらだが、やはり経費という点では背に腹は代えられない。実際の運賃を聞くと、驚くばかりだ。実際、物流の超大手のトラックは値上げによって経費問題も改善されているからか、強引な車線変更はないように思う。
運賃の問題などがあるにしても、リミッター速度の引き上げなども含めた抜本的な改善策が必要な時期に来ていると思う。120km/h制限のところに90km/hのリミッターが付いたトラックが走るのは無理があるのではないか。その速度差は30km/hにもなってしまった。なぜトラックは24時間、ひたすら走り続けなくてはならないか? コンビニの24時間問題にも通じる、根深い問題があるのは事実だが、改善策はどこかにあるはずだ。