EVのデメリットは改善されてきている
長年に渡り、EV (電気自動車)には「三重苦」がある、と言われてきた。ひとつは、充電インフラが少ないこと。次に、価格が高いこと。そして、航続距離が短いことだ。最近ではこうした3条件について、世界的に少しずつ変化が見られる。では順を追って見ていこう。
まず、充電インフラだが、日本、アメリカ、欧州の主要国では増加傾向にある。まだ十分な数とは言えないかもしれないが、EVの普及台数増に応じた数の充電器が、公共施設を含めて確実に増えている。
次に価格だが、キモはリチウムイオン二次電池の価格だ。これまでは、EV本体価格の約半分が電池の価格と言われてきたほどだ。そうした電池について、最近では中国を筆頭に量産体制が敷かれており、量産効果によって電池価格が下がったきたため、EV本体価格も落ち着いてきた感がある。
そして、航続距離についてだ。これは、満充電1回あたりで走行できる距離を指す。ガソリン車やディーゼル車では、満タンで走れる距離に相当する。ガソリン車などの内燃機関では、航続距離はガソリンタンクの大きさに加えて、燃費が大きな差を生む。一方、EVの場合は、燃費に相当する電費の良さが航続距離に響くのだが、それ以上に搭載する電池の容量の影響が大きい。単純な話、EVの航続距離の性能とは、電池の大きさだと言える。
最近では、リーフが最大で62kwh、テスラモデルS/Xが100kwhという大容量電池を搭載して、航続距離を500km級まで引き上げている。