一見上級者向けの輸入車がじつは運転しやすい
3)日産NV200バネット
続いては、とにかく荷物がたくさん積めるクルマで、なんか運転しやすいのない? という人に、日産NV200バネット。5ナンバーサイズのワンボックスで、2列5人乗りと3列7人乗り仕様があります。商用タイプのほうが認知度が高いかもしれませんが、一応、乗用タイプやEVもあるんですよね。
日産NV200バネットを推す理由は、何と言っても見切りのいいデザインと視界の広さ。とくに、前方下方視界が12.2度確保されているというのは、なかなかないですね。斜め前の死角も小さいので、交差点を曲がる時や狭い路地を曲がる時などに、歩行者なとの安全確認がしやすく、イン側ギリギリまで寄せられるところもメリットです。とくに意識しなくても自然とそういう運転ができてびっくり、と言う人もいるので、やっぱりデザインもクルマの性能の一つなんだなぁと思います。
ちなみに積載能力はどれぐらいかというと、2名乗車の状態でA4コピー用紙のダンボール箱が186個入るとのこと。ちょっとボディサイズは小さくなりますが、以前にスズキ・ソリオで試してみたところ、30個くらいが限度でした。それに比べると、ものすごい量ですよね。
4)メルセデス・ベンツCクラス
お次は、ちょっと大人のセダンから選ぶと、メルセデス・ベンツCクラスです。意外ですか? そうですよね。でも昔からメルセデス・ベンツCクラスは、エレガントな見た目から想像するよりも、ずっとずっと扱いやすいのが伝統と言ってもいいくらい。
そのいちばんの秘密は、外で見てるとビックリするくらい傾斜して曲がる前輪で、そのためにかなり小まわりがききます。さっきから数字を挙げている最小回転半径なんて、5.1m(C180)という小ささ。これまた決して悪い例として出す訳ではないですが、トヨタ・クラウンは5.3mです。いえ、これくらいが普通で、Cクラスは飛び抜けているんです。
それに、運転支援技術の手厚さは世界トップレベル。緊急ブレーキや半自動での車庫入れ/縦列駐車はもちろん、車線変更だってサポートしてくれるし、ふいに現れた渋滞後尾への衝突を回避する機能とか、もう至れり尽くせりで、何が起こっても命を守ってくれそうだという安心感がスゴイです。そういう心の余裕も、運転をスムースにするために必要だったりしますよね。
5)日産リーフ
さて、最後にオススメするのは、視界とかそういうものではなく、アクセルやブレーキの操作がギクシャクしてしまうのが悩み、という人に向けて、ニッサン・リーフです。
まぁこれはEVなので、いくら航続可能距離がJC08モードで500kmを超えたからと言って、自宅に充電設備がない人や頻繁に長距離を走る人にはあまり向かないかもしれません。でも、信号が青に変わった時に自分の思う通りに滑らかに加速してくれたり、カーブを曲がる時に自分のイメージ通りに安定して曲がれたり、という気持ち良さを感じさせてくれるのがリーフなんです。モーターはエンジンと違って、0km/hから瞬時にフルトルクを発生させることができるので、「アクセル踏んでるのに加速しない、遅い」といったモタつきが感じにくいのが一つの理由。
さらに、重たいバッテリーが床下に置かれていて、重心が低くなって車両の動きが安定するというのもメリットです。なので、自分のハンドル操作やペダル操作と、どうもクルマの動きがマッチしない、チグハグで気持ち悪い、という人は、一度EVを試してみると新しい発見があるかもしれないですよ。
というわけで、これらのクルマはプロから見て、運転しやすくしてくれる要素がとくにたくさん揃っているクルマたちです。そういうクルマで運転のコツを覚えていけば、徐々にほかのクルマに乗ってもスムースに運転できるようになっていくのではないでしょうか。自分が運転下手だと思っていても、実は乗っているクルマのせいだったり、自分に合っていなかったという可能性もあるので、諦めないで運転を楽しんでくださいね。