デザインに自由度がないため機能面で不利なことも
形が決まってしまっているのが鉄チンのデメリットだ。ホイールキャップはデザインの自由度はあるが、しょせんはキャップだけに限界がある。そもそもキャップであることを隠すのは無理だ。その昔はナット穴も再現したキャップがあるが、それも違和感はあった。ただし、昔のスポーツカーのようにメッキのハブキャップを付けた鉄チンはかっこ良かったが。
その次は冷却性だ。とくにブレーキは冷却が重要だが、鉄チンの場合はスポークがなく、開いていても小さな穴だけ。これでは熱がこもってしまう。スポークのほうが熱抜けがいいのは、見てもわかるだろう。
そして最後が重量だ。アルミホイールのほうが軽いというのは皆さん、ご存じだろう。ただし、純正のアルミの場合は強度に対する安全マージンを広く取るので、各部が肉厚に。その結果、社外のアルミホイールほどは軽くないこともあるし、その昔は直進安定性を出すために、あえて重くしたアルミホイールもあった。逆に鉄チンの薄くても強度を出せる点はメリットかもしれない。
このように整理してみると、価格以外にメリットはあまりないと言えるだろう。実用性重視な感じは嫌いではないのだが。