排出ガス浄化のために回転数を上げて触媒を温めている
エンジンが冷えた状態のときに始動直後、アイドリングが高くなるようにする機能のことを「ファーストアイドル」という。通常は、水温が上昇し、ECU(コンピュータ)が暖気は終了したと判断すると(水温が80度ぐらいになると)、普段のアイドリング回転に戻るように設定されている。
ではなぜ、このファーストアイドルが必要なのか? 以前、メーカーのお客さま相談室に訊ねたことがあるが、「エンジンが冷えた状態のまま走ると、エンジンに余分な負荷がかかり、燃費も悪くなるので、エンジンが早く温まるように、始動直後はアイドリングの回転数を上げている」という返答が……。
エンジンが冷えていると何が都合が悪いのかというと、まず環境性能に問題がある。エンジンから排出される、NOx・HC・COなどの有害物質は、三元触媒の働きで酸化・還元され浄化されるわけだが、この三元触媒が活性化させるために、触媒を排気ガスで温める必要がある。三元触媒の活性温度(浄化率95%)はおよそ350度。排ガスをできるだけ早く浄化するために、冷間始動後のアイドリングを高めているというわけだ。