エンジン本体も温まらないと本来の性能が発揮できない
またエンジンが冷えているときは、オイルも冷たくて硬くなっているので、撹拌抵抗も大きい。そのほかピストン、シリンダーといった主要部品も、熱で膨張することを前提に設計しているので、温まるまでは各部のクリアランスが適切ではない(ファーストアイドル時のエンジンノイズが大きいのはそのため)。
こうしたオイルや金属パーツのフリクションを減らすためにも、エンジンを早く温め、適温に持っていくのが望ましい。さらにプラグにも自己浄化温度というのがあって、中心電極の温度が500℃以下だと、燃料が完全燃焼しないときに発生するフリーカーボンが碍子の表面に付着してしまう。
プラグもその機能を発揮するのは、中心電極の温度が約500〜950℃の間となっているので、やはり早く温めてあげないときれいな燃焼に繋がらない。人間でも冷えは万病の元といわれているが、エンジンも冷えたままだと、性能を十分発揮できないので、冷間始動時は、エンジンを早く温める目的で、コンピュータがファーストアイドルの指示を出す仕組みになっている。