レストア済みは販売店にとってリスクが高い存在
残念ながら現行車種では選択肢がだいぶ減ってしまったスポーツカー。逆に90年代は各メーカーで最低1台はスポーツカーをラインアップしていた黄金期であり、いまだに高い人気を維持し続けている。
しかし、90年代となればどんなに新しくても20年前。時間と距離を重ねた車両は、どうしてもヤレやダメージが蓄積してしまっているだろう。スポーツカーという性格上、ファミリーカーなどよりもその傾向は強いはずだ。
それだけに、スポーティな走りを楽しむためにはある程度の手直しは必須と言えるのだが、すでに全体的に手直しが済んでいるレストア済み車両を買うのか、ベース車両を購入して直しながら乗るのかは大いに悩ましいところ。はたしてどちらかお得と言えるのだろうか?
まず、レストア済みの車両についてだが、どこまでレストアがなされているかにもよるところではあるものの、おそらく購入してから同じメニューを実施するよりもトータルの金額は安くなることがほとんど。というのも、店頭に並ぶ車両を顧客が付く前に外注に出してまでレストアする店舗はほとんどなく、レストア済として店頭に並べる店舗は自社でレストアする工場を持っていることがほとんどだからだ。
これは外注でレストアに出すと費用がかさむ上に、レストアしたからといって必ず売れるわけでないので、顧客が付く前のレストアはリスクが高すぎるという側面がある。
そして自社でレストア工場があるということは、費用を抑えて実施することができるので、あとから実施するよりもトータルで安くなるというワケなのである。
ただ、なかには外装を塗りなおしただけでレストア済みと言って販売したり、粗悪な補修でごまかして販売する業者も残念ながら存在するので、信用できるショップを見つけるか、目利きの友人に見てもらうなどの自衛手段が必要となるだろう。