パクリ車は過去の話! ハイブリッドでも日本を凌駕する中国車が日本車を追い越す可能性 (2/2ページ)

アルファードを意識した中国製ミニバンも注目度高し

 同じジーリーブースで1台のミニバンが、コンセプトカー以上に来場者の注目を浴びていた。その名は“嘉際”。リヤサイドドアはスライド式ではなくヒンジ式を採用。車高をおさえた乗用車ライクなスタイルはサイズからしても、クライスラー・パシフィカにキャラが近いように見えた。展示車は1500ccターボベースのPHEVユニットを搭載していたが、今年5月までには1500ccターボベースのマイルドハイブリッドユニットも追加予定とのこと。ほかに1800ccターボもラインアップされている。

 計器盤は流行りの大型ディスプレイ上でのデジタル表示となり、インパネセンター部には12.3インチの大型モニターが鎮座しており、安全運転支援など各種ハイテクデバイスも充実している。

 気になって眺めていると、日本語で話しかけてくるひとがいた。そのひとはジーリーの車両説明員であった。嘉際についてあれこれ聞いていると、「トヨタさんは、なぜミニバンを中国で現地生産するとか積極的に動かないのか? アルファードは日本からの輸入になるしハイブリッドがない(今回のショーでV6からハイブリッドに切り替えられた)」と、かなりトヨタを意識しているような雰囲気を感じ取れた。

 今回のショーではホンダもミニバンにハイブリッドモデルを追加してきているが、中国メーカーから見ると、中国市場のニーズをリアルタイムで捉え切れていないように見えるようであった。

 ただ決定的に違うのはジーリーのミニバンは48Vになっていること。48V化は自動運転など、今より電子制御化が進み、電力消費が今以上に進む近い将来に備えたものとされている。つまり日本車より未来を見越して開発されているのである。ハイブリッドといえば同一ライン上のようにも見えるが、そもそもジーリーのほうが一歩も二歩も進んでいるように感じるし、簡易型のハイブリッドといことで非常に合理的にも見える。

 前出の説明員氏は日本人らしい人に片っぱしから日本語で話しかけており、日本人の反応をリサーチしているようであった。日本車のなかで数少ない優位性の高いカテゴリーであったミニバンも、中国メーカーの熱心な研究及び開発の前には、優位性を失うのも時間の問題かもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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