カローラひと筋30年のマニアライターが選出する歴代カローラTOP5! (1/2ページ)

時代に翻弄されつつもカローラらしさを体現したモデルを選出

 今年カローラセダン(アクシオ)とステーションワゴン(フィールダー)がフルモデルチェンジを実施し、国内では12代目が登場する予定となっている。1966年に初代が登場してから50年以上経過している。ここでは、歴代カローラを30年以上にわたって乗り継いでいる筆者の独断と偏見に基づいて歴代ベスト5を発表しよう。

第5位:11代目

 現行モデルとなる11代目カローラアクシオとフィールダーは、グローバルモデルと完全に独立したほぼ国内専売(香港などへ輸出している)モデルとなっている。5ナンバーサイズ維持のためもあり、デビュー前からヴィッツのプラットフォームをベースに開発されるという話が先行し、“ミスター・カローラ”を自称する筆者は内心穏やかではなかった。それならば、新興国で販売されているコンパクトセダン“ヴィオス”をそのまま日本でもカローラとして導入してもらったほうがいいとも考えていた。

 ところが、実車を見た時にボディ全体から発せられるオーラを感じ取ってしまった。ヴィッツベースとはいうものの、よくここまでカローラらしく仕上げたものだと感心してしまったのである。10代目ではエンジンスタート時の音などが雑音に近いものであったが、11代目ではドアの開閉音も含めて、それなりに音の演出も行われていた。デビュー直後の前期モデルのあと、トヨタセーフティセンスを採用したビッグマイナーチェンジモデルに乗り換えたのだが、前期モデルで不満に思っていた細かい部分も見事に改良されていたところに、“カローライムズここにあり”とおおいに感動してしまった。

第4位:7代目

 ダッシュボードの“プニプニ感(セルシオ並みのソフトパッドを採用していた)”がとにかく印象的だったのが7代目。インパネセンター部がドライバーサイドに向いている“ドライバーオリエンテッド”の採用など、とにかくぜいたくというか、見た目品質では当時世界でも群を抜いていたトヨタの真骨頂とでもいうべき高い品質が特徴であったモデル。

 前期モデルは父親が購入して家族で使っていたのだが、当時父親は“MTしか乗らない派”だったので、セールスマンも珍しがった5速MT仕様であった。その前乗っていた6代目も5速MTだったのだが、加速フィールがより自然になっていたのをいまも覚えている。グレードは1500SE-Lというファミリーグレードだったのだが(SE-Lはデビュー後すぐにSE-Limitedに改名されている。巷ではドイツのあの高級ブランドからクレームがきたという噂もたっていた)、5速MTで結構攻めて乗っていたので、知り合いからは“なんちゃって羊の皮を被った狼”みたいなことを言われていた。

 後期モデルは愛車として自費で購入したのだが、諸般の事情で1300LXビジネスパッケージという、営業用仕様に乗っていた。1500はA系エンジンだったのだが、1300はよくまわるE系エンジンを搭載しているものの、ミッションはなんと3速ATだった。たまたま知り合いからもらった、大径タイヤと赤いホイールを装着していたので、GTと間違われて走り屋諸兄に追い掛けられて困ったこともいまは良い思い出である。

第3位:9代目

 それまでモデルが変わるたびに質感を上げてきたカローラだったが、9代目はバブル経済の崩壊の影響もあり、“コスト削減”というキーワードが車体から滲み出ているようなクルマだった。そのためセールスマンから代替えしないかといわれても断っていた。

 しかし9代目はその姿とスペックを見た瞬間、一発で“これは買いだ”と思えるものとなっていたので、予約して購入した。いままでは1300㏄や1500㏄に乗っていたので、9代目では1800㏄を搭載した最上級グレードであるラグゼールを購入した。ボディカラーは元来シルバー系が好きなのだが、それでは完全に親父臭くなるので、ブラックマイカを選んだところ、周囲からは“これは何というクルマなの?”と聞かれるほど、カローラにしては存在感が出てしまった。

 8代目は所有こそしなかったものの、出張先でレンタカーとして乗っていて“カローラもいよいよこれまでか”と思うような、追い込まれているイメージも伝わっていたが、9代目でプラットフォームが一新され、その思いは消え去った。とくに高速走行時の安定感が抜群に向上し、当時のトヨタ車のNVH性能は群を抜いていたこともあり、車内の静粛性も抜群であった。1800㏄は電子制御式4速ATを採用しており、1800㏄とは思えない燃費性能の高さも秀逸であった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報