玄人ウケはするも市場での評価はイマイチ
国産車に置いては各分野のスペシャリストが大勢集まって作られており、もはや性能的に明らかに劣るようなモデルはリリースされることはまずないと言える。その一方で、エクステリアデザインに関しては、法規や空力の問題もあってある程度の制約があるとはいえ、各メーカーでキャラクターが異なるように自由度の高い部分となっている。
それだけにある人にとってはカッコよく見えるものでも、別の人にとってはめちゃめちゃダサいと感じるようなものも存在する。ここはもはや個人の感性の問題であり、一部で酷評されたトヨタ・アルファード&ヴェルファイアやプリウスのデザインも、台数が売れてしまえば正義なのだ(それでもプリウスは大人しいデザインになったが)。
しかし、なかには多くの人に受け入れられず、思うように販売台数が伸びなかった車種も存在する。今回はそんなデザインに足を引っ張られてしまったモデルをピックアップしよう。
1)三菱エアトレック スポーツギア
SUVでも、ステーションワゴンでも、ミニバンでも、ハッチバックでもない新しいタイプの車を目指して登場したクロスオーバーSUVのエアトレック。日本国外ではアウトランダーという名前で販売されており、日本仕様のアウトランダーの元祖ともいえるモデルだった。
通常のエアトレックはトヨタのアリストやランドクルーザーシグナスを思わせる4灯ヘッドライトを備え、スタイリッシュな印象だったが、問題は2003年に追加された「スポーツギア」だ。元々北米市場で販売されていた「アウトランダー」名義のエクステリアをまとったモデルだったが、そのアクの強いフロントマスクが日本市場では受け入れられなかった。
2)スバルR1
スバル360のコンセプトを受け継いだ「NEWてんとう虫」として2005年にデビューしたスバルの軽自動車R1。多くの軽自動車が軽自動車枠目いっぱいのサイズでリリースするなか、パーソナルカーという性格を強めるためにあえて軽自動車枠ギリギリのサイズではなく、やや小さいサイズで作られていた。
そんなR1のフロントマスクには、航空機をモチーフにしたフロントグリルの「スプレッドウィングスグリル」を採用。このデザインがなかなか受け入れられず、同様のフロントマスクを持った5ドアモデルのR2は2005年11月のマイナーチェンジで一般的なフロントグリルへ変更されたが、R1は結局最後まで変更を受けることはなかった。