最高速度が変わる可能性へ対応する意図も
そのため制限速度の見直しに対応して120km/hまでカバーするクルーズコントロールでは、表示上では135km/hまで設定できるようになっている。当然、将来的にはどこまで制限速度が上がるか、自動車メーカーとしてはわからないわけだから、さらに余裕を持たせておくという考え方もある。トヨタの一部車種で180km/hまで設定できるのは、そうした面もあるだろう。
輸入車ではクルーズコントロールの制御が本国仕様のままだったりするので、もっと上限が高いこともある。また、ACCのは設定速度の高さは、その速度域まで追従できることをメーカーが認めたということであり、ACC性能の高さを示す指標のひとつともいえる。
いずれにしても、制限速度以上にクルーズコントロールを設定できるのは昔からだ。これは、自動車メーカーが速度違反を推奨しているのではなく、余裕をもって機能を提供するためと考えるべきだ。そもそも、アクセルを踏めばスピードリミッターが作動(国産車の多くは180km/h、軽自動車は140km/h)するまでの速度を出せるようになっているわけで、速度の管理については運転免許を所持するドライバーに任せられている。機械として設定できるのと、運転手が設定するのは別次元の話。スピード管理についてはドライバーにゆだねられているのだ。