ステップの低さは最重要項目
シニアな両親を後席に乗せる、あるいは小さい子供が自身で後席に乗りたがる、子供を抱いた母親が後席に乗り込む……そんなシチュエーションでは、コンパクトカーはあきらめたほうがいい……。
それは大きな誤解である。コンパクトカーでも後席の乗りやすさ抜群のクルマは少なくない。いや、むしろ中大型セダンより乗り降りしやすいコンパクトカーもあるほどだ。
ポイントは乗降間口の広さ、ステップの低さ、ステップとフロアに段差のない掃き出しフロアであること、乗降間口から後席ヒップポイント(お尻を沈める部分)までの距離の短さ、そしてもちろん、後席ニースペースのゆとり、さらに言えば、アシストグリップの有無などだ。
ここではそんな観点から、シニアや子供、子育て中の母親にうってつけのコンパクトカーを紹介したい。
1)スズキ・ソリオ&三菱デリカD:2
その筆頭がスズキ・ソリオ/三菱デリカD:2である。まさにファミリー向けのプチバンだが、このWEB CARTOPで何度も説明したように、走行性能は想像よりはるかに優れていて、HVモデルのスムースな走り、静かさ、上質な運転感覚、乗車感覚などが魅力。
しかも、リヤドアは開口間口の広い両側スライドドアであり、スライドドア部分のステップ高は地上約360mmとごく低く、ステップからフロアへの段差なし。加えて後席ニースペースはクラス最大の約40cm(後席最後端位置)と広大。これなら足腰が弱ったシニアや子供、子供を抱いた母親も楽々乗車可能。乗ってからのゆとり、快適度も、ばっちりなのである。
2)トヨタ・ルーミー、タンク&ダイハツ・トール
トヨタの・ルーミー/タンク、ダイハツ・トールもまたコンパクトカーにして両側スライドドアを備えたプチバンだ。TV CMどおり、天井の高さも自慢で、それは乗降時の腰に上下動が少なくて済むことを意味する。スライドドア部分のステップ高は366mmと低く、もちろん掃き出しフラットフロア。後席ニースペースも最大385mmと抜群に広い。後席の空調にも配慮されている。
また、Bピラーに大人用(地上1100mm位置)と子供用(地上900mm位置)のアシストグリップがあるのもポイントだ。