サーキットで試したいほどの速さと燃費を両立するホットハッチも
3)ホンダ・フィットRS(6速MT車・JC08モード:19.2km/L)
燃費とパフォーマンスのバランスでいうと、やはり1.5リッタークラスに旨味がある。FF代表として選んだのはホンダ・フィットのスポーティグレードである「RS」だ。
i-VTEC機構を持つL15B型エンジンは、タイミングチェーン式のDOHCエンジン。最高出力は97kW(132馬力)となっているが、かつての名機「ZC」エンジンを思わせる粘りのあるキャラクターが魅力といえる。
またRS専用にセットアップされた6速MTは、マツダ・ロードスターよりも変速比幅が狭く、ステップ比が接近したスペックとなっている。エンジンの性能を引き出しやすいギヤ比になっているというわけだ。
車重も1070kgとそこそこに軽量で、ホットハッチ的な軽快な走りが楽しめる。またミリ波レーダーと単眼カメラによる先進安全&運転支援システム「ホンダセンシング」が備わるのもうれしいポイントだ。
4)マツダ・デミオXD(6速MT車・JC08モード:30.0km/L)
マツダ・デミオにはモータースポーツのベースグレードといえる「15MB」も用意されているが、スーパー耐久で実績を残している1.5リッターディーゼルエンジンを積んだ「XD」グレードを推しておきたい。
なにしろ、その燃費性能は30.0km/L(6速MT)と圧倒的。それでいて、最大トルクは220N・mとなっているからエンジンの力強さを感じながらのドライビングが味わえるはずだ。
6速MTのギヤ比は割合にワイドレンジとなっているが、全体にトルクが太くパワーバンドが広いので気になることはないだろう。また、一般にエンジン単体が重めのディーゼル車ながら車重は1080kgと軽量なのも、ホットハッチ的なスポーツモデルとして評価できる。そのために、燃料タンクはATよりもかなり小さい35リットルとなっている。
5)スズキ・スイフトスポーツ(6速MT車・JC08モード:16.4km/L)
1.4リッターガソリン直噴ターボエンジンを積むスイフトスポーツ。そのターボエンジンは、最高出力103kW(140馬力)、最大トルク230N・mとかなりのハイスペックだ。
6速MT同士で比べると、1.5リッターディーゼルターボのデミオより最大トルクが大きいというのは、このエンジンが“がんばっている”ことの証明だ。
しかも車重は970kgしかなく、そのパフォーマンスが高いレベルにあることは推して知るべし。軽さは燃費にも効果的で、カタログ燃費性能はかなり優秀だ。ただし、あまりに速くなっているため、市街地でアクセルを全開にできるようなシチュエーションはほとんどないだろう。スイフトスポーツの本領を発揮させようと思ったらサーキットに持ち込みたい。それほど高いポテンシャルを持っている。