私道協会は存在しない可能性が大
さらに調べを進めると、単純にゴミを捨てられたりするのがイヤで立てただけ、という証言も得られた。「私道かどうかは関係なくて、散らかされるのがイヤなだけ。その看板に効力というか、説得力をもたせるために私道協会といれた」というが、確かに普通にゴミ捨て場もあって、区の清掃車が収集に来たりするので、私道かどうかは微妙だ。
法律を調べてみると、不特定多数が往来できる私道の扱いは、公共の道と同じ扱いだという。たとえば、自動車雑誌の撮影でお馴染みの箱根ターンパイクも私道だし、この間F1が走り抜けた神宮外苑の銀杏並木の道も私道だ。だから公道を爆走というのは正確ではなく、私道を爆走が正しいし、国道や都道などに比べれば封鎖しやすいということもあるだろう。
しかし、ターンパイクでは警察による速度の取り締まりが行なわれるなど、事実上は公道と同じ扱いがされている部分もある。
結局、私道だけど公共の扱いを受けるがゆえ、後ろ盾を付与するために私道協会という言葉を使ったようだ。さらに法務局で所有区分などを調べてみるつもりだが、最後にこんな話を聞いた。「昔は看板になんとか協会とか付けたりしたんだよね、そうするとなんか偉そうじゃない。全国的かどうかはわからないけど、私道協会もそのひとつだと思うよ」。
とりあえずわかったのは、私道協会というのはなくて、後ろ盾として使われているということ。さらに、私道だけど公道という微妙な狭間で揺れ動いたからこそ、立てられたものであること。次は実際に立てた人物を探し出してみる予定だ。