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話題沸騰の「e-POWER」のパワーでバカ売れする日産ノート&セレナに潜む弱点 (1/2ページ)

話題沸騰の「e-POWER」のパワーでバカ売れする日産ノート&セレナに潜む弱点

この記事をまとめると

■e-POWERはピュアEVに踏み込めないユーザーにアピールした日産のEV技術の結晶

■e-POWERは必要ならガソリンエンジンで発電しながらモーター走行を行う

■加速性能、アクセルレスポンスが向上するノーマルモードの方が自然に走れることもある

EVで培った技術を投入したハイブリッドの新しい形

 今、日産e-POWER旋風が吹きまくっている。初搭載のノートは直近のデータだと2018年国産登録車販売台数でアクアを退け堂々の第1位。さらに2019年1〜2月の国産乗用車販売台数でも販売の約70%をe-POWERが占めるノートがダントツの1位! なのである。e-POWER第二弾のセレナにしても、2018年国産登録車のなかで、プリウスに次ぐ第4位につけているほどだ。

 e-POWERは、長年リーフで培った日産のEV技術を注ぎ込み、EVに興味があっても、いきなりピュアEVに踏み込めないユーザーに大きくアピールした日産のEV技術の結晶とも言えるものだ。

 e-POWERについて改めて説明すると、PHVともレンジエクステンダーとも違う「充電を気にすることなくどこまでも走れる電気自動車の新しいカタチ」である。動力源はリーフと同じEM57と呼ばれるモーターのみ。だが、ピュアEVと根本的に違う点は外部充電機能を持たず、必要なら1.2リッターのガソリンエンジンで発電しながらモーター走行を行うところ。つまり電欠を心配せずにEV走行を楽しめる“シリーズハイブリッド”というわけだ。ガソリンスタンドに立ち寄ることはあっても、自宅の充電設備設置は不要。ドライブ先で充電する必要もない。これなら売れて当然かも。

 パワーユニットとしての先進感は、運転すればすぐにわかる。その理由は基本、モーター走行ならではのスムースさや静粛性&エコ性能の高さはもちろん、アクセルペダルだけで加減速が行える「ワンペダル」にある。ノート/セレナe-POWERは、アクセルペダルを戻せば回生ブレーキによる最大0.15Gの「ギューッ」と後髪をつかまれたように減速する効果が得られ、ブレーキを踏まずとも停止までしてくれるのだ(停止線にピタリと止めるには、アクセルを戻すタイミングの慣れを要するが)。

 もっとも、セレナのように背の高いミニバンだと、高速走行で「ギューッ」とされると乗員はたまらない。そこでセレナの場合、ノートより重心が高いことに配慮し、約60km/h以上の速度域、高速走行では、回生ブレーキの減速力をより自然な0.1G以下に抑えている。

 結果、加速方向は新幹線的なモーターならではの段付きのないスムースさで速度を上げ、一方、ワンペダルによる減速時には、ブレーキングの達人が操作するような、減速ピークのない穏やかで優しい減速を行ってくれる……というのが、日産の説明、謳い文句。

 ちなみにセレナe-POWERの、ブレーキを踏む機会が約70%減になるというワンペダル機能が作動するのは、ドライブモードのエコ、スマート(S)モードのみ。ノーマルモードでは作動しない。

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