時代の流れとともに本来変わるべき内容も
3) クロスハンドル
ハンドル操作は、車庫入れのような超低速域では、どんな切り方をしても大差はないが、スピードレンジが高まるにつれ、ゆっくり、丁寧、繊細な操作が求められる。
そういう意味で、教習所で習ういわゆるクロスハンドル(交差ハンドル)は、箱庭のような教習所内に特化した操作法といえる。
かつてのパワステがない頃のクルマなら、重いハンドルを一気に切れるクロスハンドルにも利点はあったが、パワステが標準化されたいまのクルマなら、右手の守備範囲は、ハンドルの右半分、左手の守備範囲はハンドルの左半分となるように、いわゆる送りハンドルで操作するのがベスト。
4) ポールや植木の位置を目印にした駐車
これも教習所限定の技術のひとつ。苦手な人が多い、縦列駐車や方向転換のときに、ポールや植木を目印に、「ここでハンドルを切って」と教えてくれる教官がいる。
それはそれで、早く免許を取得するにはいいアドバイスかもしれないが、路上に出てからでは役に立たない。実際の車両感覚やタイヤの位置感覚を掴むトレーニングのほうが、はるかに重要なのは言うまでもない。
5) 踏切手前での窓開け
教習所では非常に重視されている、踏切手前で一時停止し、窓開けて電車の音を確認する作業。道路交通法で定められているルールではないので、街中でこれを実践している人は事実上皆無といっていい。
そんなことより、一時停止、安全確認後の素早いリスタートを特訓してもらった方がありがたい。