リターンライダーなどにも需要が高まっている原付二種
ホンダが「スポーツハイブリッドi-MMD テクニカルワークショップ&エクスペリエンス」というイベントをメディア向けに開催した。ホンダの四輪における電動化の中心を「スポーツハイブリッドi-MMD」が担うという宣言であり、また電動化時代に向けた生産能力の増強などをアピールするものだった。その一環として行われたのが日本でも人気の原付二種スクーター「PCX」の比較試乗だ。
国内の二輪市場は、四輪以上にシュリンクしているという印象が強い。実際、自動車工業会の統計データを見れば、1980年には237万台規模だった国内市場は、2017年で35万7000台程度となっている。増減はあるが、21世紀に入ってからはおおむね40万台規模で推移しているといっていいだろう。そうしたなかで勢いを増しているのが原付二種(51〜125cc)のカテゴリーなのだという。2018年の道路交通法改正によって普通四輪免許所持者であれば、最短2日間の教習で「AT小型限定普通二輪免許」が取れるようになったことも、そうしたトレンドを後押ししているということだ。
そうしたなかで、人気を集めているのがホンダの原付二種スクーター「PCX」だ。125ccモデルのメーカー希望小売価格は34万2360円(消費税込)。比較的、手頃な価格ながら立派なボディは所有満足度が高そうだ。実際にまたがってみても、立派なボディであることが実感できる。もっとも、身長160cm台と小柄な筆者(普通二輪免許所持)にとっては、ちょっと大きすぎると感じる部分もあったが、リターンライダーがいきなり触れても取り回しやすいところなどは、人気の理由を感じることができた。
環境対応から4サイクルエンジンとなったスクーターは、50ccの原付では力不足を指摘されることもあるが、125ccクラスであればそうした不満もない。今回、クローズドコースで試乗したが、街乗りであれば流れに余裕で乗っていけるだけのパフォーマンスを感じることができた。具体的には、リターンライダーゆえの遅いコーナリングからの立ち上がりで、想像以上に早く60km/hまで到達する。