アメリカ市場はコンパクトSUVへシフト
アメ車の主力メーカーは、その昔ビック3と呼ばれ、近年ではデトロイト3と呼ばれる、GM(ゼネラルモーターズ)、フォード、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の3社だ。
GMのCセグメントといえば、シボレー・クルーズである。アメ車という枠組みを超えて、世界戦略車として開発されたGMの自信作だ。だが、どうしてもアメリカでアメ車を購入する人は、SUVやピックアップトラックが主体となってしまい「コンパクトカーは、長年に渡り日本車が人気だし、品質もサービスもいいから」と、クルーズ人気は長続きしなかった。
フォードの場合は、フォーカスがある。同車の商品開発と設計はドイツのフォードヨーロッパが担当したのが始まりで、欧州仕込みのスポーティな乗り味とハンドリングを強調して、一時はそれなりの人気があった。事実、筆者も2000年代半ばにカリフォルニア州内でフォーカスの新車を購入している。
また、FCAの場合、クライスラー時代にダッジ・ネオンがあり、チューニングカーのベース車としても一時人気があった。リーマンショック後しばらくして、FCAとして組織に再編されてからは、FCAとしてコンパクトカー開発はフィアットが請け負うようになった。
こうしたアメリカCセグメント市場の経緯があるなかで、いま起こっているのがコンパクトSUV市場の急拡大だ。カローラからRAV4へ、またシビックからCR-Vへと、ドル箱商品の流れが変わってきたのだ。
SUVを得意とするデトロイト3としては、こうしたトレンドを転機を捉えて、反転攻勢に出てくる模様だ。