品質を管理するためメーカー側も手厚いケアを用意
近年ではこのように、一般ユーザーではなくディーラーが短期間での再販を念頭にしっかり維持管理した自社所有車両も多くなってきている。
新車購入時に利用するディーラーローンでは残価設定タイプのものが主流となっている。残価設定ローンについての詳細な説明はここでは省くが、3年や6年後の残価を設定し、それを最終支払い回分として据え置き、月々の支払い負担を軽減するものだが、残価維持のために月間走行距離に制限がある。
設定残価は中古車相場の変動などに左右されない“残価保証タイプ”が日系メーカーではほとんどとなるが、最終回分を現車の返却などで相殺するときには、内外装の傷などのチェックがあり一定減点数を上まわると追加の支払いが発生する(普通に乗っているかぎり追加はまず発生しない)決まりにもなっている。
「残価設定ローンは継続して同一メーカー車を乗り継いでもらう“囲い込み”を狙っていますが、そうなると将来は下取り車として引き取ることになります。そのときに認定中古車として扱えるような品質を維持させていることも、メーカーやディーラーは考えているようです」(業界事情通)。
スズキの残価設定ローン“かえるプラン”では、メンテナンスパックが付帯されてくる。メンテナンスパックが付帯されれば、自社整備工場に入庫されるので、メンテナンス管理も可能。以前スズキ系ディーラーで聞くと、「将来下取りとして入ってきたら、認定中古車として扱えるように、再販価値を高めるといった側面もある」とセールスマンが答えてくれた。
認定中古車は単に保証が手厚かったりするだけでなく、ディーラーが自社登録し、厳しい管理下で短期間使用し中古車として再販したり、残価設定ローンやメンテナンスパックで、ある意味品質維持をしてきた車両が多いというのが最近のトレンドであり、展示される認定中古車の品質についてバラつきが少ないというところに魅力を感じれば、ひと言で割高だともいえないのが現状といえよう。