【試乗】現役レーシングドライバーが絶賛! ルノー・メガーヌR.S.カップはコーナーが楽しいハンドリングマシン (3/3ページ)

セッティングの決まったレースマシンのような完成度

 今回はインラップ・アウトラップを含めて5周走りましたが、その間にフィーリングの変化はなく、とくにブレーキはその点で先代メガーヌR.S.よりもフェードしにくくなっているようです。

 新型メガーヌR.S.カップ、これは乗ってすぐに楽しさが伝わる、本当にいいクルマですね。具体的には、アクセルやブレーキを踏み込んだときの前後の姿勢の変化が少なく、かつ踏んだ量に応じてリニアに姿勢が変化してくれるので、コーナリングの一連の動きが一番面白いです。ハイパワーなエンジン以上にシャシー性能が高い、コーナリングマシンですね。

 それはレーシングドライバーの僕にとっても重要なことで、今回のようにクルマもコースも初めてですと、レーシングカーでもセッティングが決まっていない場合コースの習熟が遅れるのですが、新型メガーヌR.S.カップのようにクルマの動きがリニアだと、すぐ自分の走りに集中できるんです。それに、滑り出しの前兆が読めるので、コーナーでのボトムスピードをどれだけ上げられるかを調整しやすいんですね。

 いいクルマになればなるほど、頑張って攻めているつもりがなくてもメチャメチャ速くて、かつ一番曲がりたいときにステアリングをもっとも多く切っていて、コーナーを立ち上がるときには自然に舵を戻しています。新型メガーヌR.S.カップはまさにそうで、セッティングの決まっているレーシングカーのようでした。

 腕に自信のあるドライバーがドライコンディションのサーキットを走るなら「レース」モードがオススメですが、そうでなければ最初は「スポーツ」モードから始めても充分に速くて安全で、何より楽しいと思います。このクルマの楽しさは、乗れば乗るほど伝わってきますので、オーナーになった方はぜひ、できるだけ長時間乗ってほしいですね。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
好きな有名人
-

新着情報