広大な地であるにも関わらず制限速度は日本と変わらない
どこまでも長ぁ~~く、まっすぐに続くアメリカのフリーウェイ。テキサス州、ニューメキシコ州、そしてネバダ州あたりでは、よく見かける光景だ。こうしたところでの制限速度は、時速65マイル(104km)が基本。ところによっては、70マイル(112km)、または75マイル(120km)という場合もあるが、最高でも75マイルどまりだ。
「なんだ、日本の高速道路とほとんど同じじゃないか」「最近じゃ、日本でも時速120kmの試行実験をしているし、アメリカもたいしたことないじゃん」。そんな声が聞こえてきそうだ。
確かに、アメリカは数年前に中国に抜かれる前まで、生産台数でも販売台数でも世界第一位の自動車大国だった。フォードT型の量産によって、近年の自動車産業の基盤を作ったのもアメリカだ。フリーウェイの整備も第二次世界大戦直後から全米規模で広がった。
同じく、世界の自動車産業をリードしてきたドイツに、一部区間で速度無制限のアウトバーンがあるのだから、アメリカでもアウトバーン構想っぽいのがあっても不思議ではないように思う。しかし、そうはなっていない。