リコールが出た際は手の施しようがない
そういう意味で一番困るのは、リコールが出たとき。ディーラーは当然対応してくれないうえに、ディーラー系以外の輸入車に強い整備工場を頼っても、パーツが届くまでに数カ月もかかることも……。
おまけにパーツ交換後に、コンピュータのリセットやアップデートが必要だったりすると、専用の故障診断機を持っていないショップでは手も足も出なくなってしまう。逆にディーラーが持っている故障診断機は、日本仕様に合わせてあるので、対応できないということになる。
パーツ類の交換・脱着には、特殊工具が必要なケースもあるが、これも並行輸入車には合わなかったり、そもそも整備マニュアルがないので、手が出せないという問題が。
クルマは必ず消耗し、定期的な点検整備が欠かせないということを考えると、やはり並行輸入車にはそれなりのリスクがある。ディーラー以外に、その車種に強い専門店があるようなクルマならいいかもしれないが、こだわりがあって、日本仕様がないクルマに乗りたいという人でなければ、並行輸入車のメリットは小さいと思った方がいい。
それでもあえて並行輸入車が欲しいという人は、購入後のメンテナンスや修理をどうするかまでよく考えてから契約書にサインするようにしよう。