自動車メーカーにとって部品の保管は頭の痛い問題
また、過去に生産した部品を保管しておくのにもスペースが必要だし、再生産ができるようにと金型を保管しておくのにも場所も費用もかかってしまう。そのため、古い部品に対してはそういったランニングコストものしかかってくるので価格が上昇するという要因もある。
自動車を構成する部品は約3万点と言われており、毎年のように新型車や一部改良がおこなわれている自動車メーカーにとっては部品の在庫も頭の痛い問題。生産が終了し、現存台数が減る一方の旧型車の部品をいつまでも潤沢に保管しておく余裕は残念ながらない、というのが紛れもない事実というわけだ。
もちろん、一種のコレクターズアイテムとなるようなクラシックカーについては純正部品は供給されていなくても、スペシャルショップなどが作ったリプロ品などがあって比較的維持がしやすくなっているが、マイナーな車種に関しては部品取り車を確保したり、ネットオークションを定期巡回したりと涙ぐましい努力をせざるを得ない。しかし、それをメーカーのせいにしてしまうのはあまりに暴論という他ないというのが筆者の見解である。
とはいうものの、筆者自身も1981年式の国産ポンコツ車を保有しており、部品供給の悪さに泣かされているのであるが……。