クルマの現存台数が減っただけ部品の価格は上がる
最近ではマツダが初代ロードスターのレストアプロジェクトをスタートさせたり、ホンダがビートの部品の一部を再生産、日産(NISMO)も第2世代のスカイラインGT-Rの部品供給を再び開始するなど、登場から30年近くが経過した車種にも関わらずありがたい話題が続いている。
しかし、残念ながら部品の価格は当時のままとはいかず、どれも高いプライスタグがつけられているし、メーカーが在庫している従来の部品も定期的に値上げが実施されているというのが現状だ。これを見て「旧車を本当に守る気があるのか」というのが今回のテーマなのだが、ぶっちゃけてしまえば「それほどない」というのが事実である。
たとえば初代ロードスターは日本国内で12万台ほどの販売台数を記録したが、レストアプロジェクトが発表された2017年時点の現存台数はおよそ22700台と1/6の台数となっている。つまり、単純計算で部品が売れる確率は1/6になっているわけで、コストをかけて再生産しても十分な利益を上げようとすれば6倍の価格をつけなければならないというわけだ。
もちろんそんな価格では購入するユーザーもほとんどいないだろうから、ギリギリ赤字にならないラインで値付けをした結果、当時の価格よりも高くなってしまっているという寸法だ。自動車メーカーも事業としてやっていることなので、赤字になるようなことはできないのである。