若者のクルマ離れ……って言われても買えないんじゃ! 新車の高額化が止まらないワケ (1/2ページ)

走りや安全性の追求が車両価格を上げる

 最近、よく耳にするのが、「最近のクルマは高い」ということ。実際、15年ぐらい前であれば200万円台で買えたクルマが、300万円台は軽く突破している例はザラ。軽自動車でも200万円近くするので、以前に比べれば確実に高くなっている。と、高い、高いと言うのはいいのだが、ではどうして高くなっているのか考えたことはあるだろうか? 漠然と材料費が高騰しているのかな、程度かもしれないが、じつはさまざまな要素が関係している。

 もちろん材料費は大いに関係する。クルマに使われる素材は鉄、樹脂、ゴムなど多岐にわたっていて、そのどれもが高騰中だ。これはクルマに限らず、食品やお菓子、衣料品なども同様で、素材自体が上がっているだけでなく、話題になった運送費も上がっている。それらが、素材価格にも跳ね返ってくるわけだ。

 また走りの質は以前に比べれば飛躍的に上がっているが、こちらもいい素材が前提だったりする。ハイテンション、ウルトラハイテンションは当然普通の鋼板よりも高いし、足まわりなどで増えているアルミは、鉄なんかよりもかなり高い。単純に比較はできないが、びっくりするほどの価格差だし、日本は高くて、欧州のほうが安いのも国内生産ではハンデとなる。

 そして開発コストも増大するばかりだ。各社ともデジタルシミュレーションでの開発や短期化、パーツの共有化、生産現場でもモジュール化によって効率のアップを目指すなど、涙ぐましい努力が続けられているが、それ以上に立ちはだかる課題は多いのが実際。とくに燃費は爪に火を灯す思いだし、高いレベルの安全技術や自動運転技術となると、開発コストは膨大。今まで使わなかったパーツも使用しなくてはならない。もちろんそれらは車両価格に上乗せされる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
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