より立体的なデザインは今後の市販車にフィードバックされる
実際にこのコンセプトカーのデザインは、一見して機能性や使い勝手、運転のしやすさなどを追求した現在の市販モデルとはイメージが大きく異なり、かなり冒険した印象を受ける。道具としての良さを超えた「ワクワク感」が感じられる。そこはまさに狙った部分であり、殻を破りたいという想いでデザインしたのだそうだ。
「BOLDERとは、スポーツ、フィールド、ジャーニーというそれぞれの要素を、もっと特化させた価値表現なんです。もっとスペシャルなモデルを出していく。それがBOLDERなんです」と石井氏は語る。
市販化については、パワートレインも含めてまだ何も決まっていないそうだが、このコンセプトカーに用いられたデザイン要素は、今後市販モデルにも盛り込まれていく可能性は十分にあるという。
例えば立体表現だ。ヴィジヴ・アドレナリン・コンセプトには、塊を削り出した様な造形になっているCピラー下部や、ホイールアーチの立体的なクラッディングなど、よりゴリッとした立体的な表現が用いられているが、今後はより立体的で、プロテクターで守ってくれているような表現を量産車にも反映させていこうと考えているという。もちろん視界要件をはじめとした、スバル車に求められる要件を満たした上でだ。
またインテリアも、エクステリアと同様にBOLDERなデザインとする事を目指しているが、現時点ではまだ試行錯誤している段階だという。今後どんなデザインのインテリアが登場するのか、今からとても楽しみである。
将来的にスバルブランドを語る上で、今回のコンセプトカーがスタート地点になるのかもしれない。