非日常を存分に味わうための新たな提案
スバルが今回のジュネーブショーでお披露目した「ヴィジヴ・アドレナリン・コンセプト」。このヴィジヴシリーズの最新作は、一見すると流行のSUVクーペのデザインスタディといった趣だが、はたしてどんなコンセプトなのだろうか。
広報発表資料には、「“BOLDER(ボールダー)”の考え方の下でデザインされた初めてのコンセプトカー」で、「アクティブマインドを持つ人の“大自然の中を想いのままに走り廻りたい”という気持ちを駆り立てる、新しいスポーツヴィークルを表現した」とある。なんだかとても観念的なので、デザイン本部長の石井 守氏に直接話を聞いてみた。
スバルは2014年以降、コンセプトカー、量産モデルともに、共通デザインフィロソフィ「DYNAMIC × SOLID」のもとでデザインされてきた。そこで表現されてきたものは、「安心と愉しさ」という、スバルブランドが提供する価値だ。目指したのはひと目見てスバルと判る形を作り、すべてのスバル車に取り込むというものだった。
だが、「DYNAMIC × SOLID」なデザインがスバル車に行き渡り、「その次」を考えたとき、「スポーツ」、「フィールド」、「ジャーニー」という3つの要素をさらに飛躍させて非日常なイメージを与えることで、見る人が「DYNAMIC × SOLID」なスバルらしさを感じ、さらに「コレを使って遊び倒せるな!」と感じさせる表現を目指そう、となった。これが「BOLDER(“より大胆な”の意)」である。
石井氏によれば、今回のヴィジヴ・アドレナリン・コンセプトは、この「BOLDER」をキーワードに用いた第一弾で、「スポーツ」と「フィールド」の要素を掛け合わせた価値を、非日常の領域で表現したデザインプロポーザルなのだという。