教習所はメーカーにとっておろそかにできない顧客
しかし、徐々に教習車専用車種やグレードは消滅し、最後に残ったのがファミリアの時代から現行のアクセラに至るまで、ほぼ途切れることなく教習車仕様をリリースし続けていたマツダだったのである。
もちろん、一部の教習車のようにプリウスを教習車にしたり、輸入車を教習車にしたりすることも不可能ではないが、もともと教習車仕様がある車種に比べると圧倒的に導入コストがかかってしまうこともあり、代替えのタイミングでマツダ車に移行したというのが、最近の教習車にマツダ車が多い理由と言えそうだ。
ただ、近年では再び教習車仕様をラインアップするメーカーが増えてきており、2015年にはホンダがコンパクトセダンのグレイスに通常は設定のない5速MTを設定したグレイス教習車をリリースしたり、昨年にはカローラアクシオベースのトヨタ教習車が登場したりしている。
そのため、現在のようなマツダ車一色の教習車戦線にも変化が起こるかもしれない。定期的にまとまった台数を導入してくれる教習所は、メーカーにとっては意外とおろそかにできない顧客と言えるのだから。