サプライズで登場したのはなんと……!
世界で活躍する日本人と日本のレーシングマシン。一昨年は世界三大レースのひとつと言われる、あのINDY500マイルレースで優勝を遂げた佐藤琢磨選手とホンダエンジンを搭載したインディカー。そして2018年は、同じく世界三大レースと言われる「ル・マン24時間レース」でトヨタTS050 HYBRIDが、中嶋一貴らのドライブにより悲願の優勝をはたした。また、同じくル・マン24時間の耐久レースという観点からすると、二輪のホンダCBR1000が二輪のル・マン24時間レースで王者に輝いているのだ。
一方、2017年からWRCに復帰したトヨタは、ヤリスWRCが参戦初年度ながらTOYOTA GAZOO Racingワールド・ラリー・チームにマニュファクチャラーズタイトルをもたらしている。また今年からトロロッソとレッドブルの2チームにエンジン供給を開始するホンダのF1用PUは、このオフのテストでは2強と言われるメルセデスやフェラーリに伍するパフォーマンスを見せている。
このように世界中で活躍している日本のレーシングマシンたち。それらが一堂に会する夢のようなイベントが、三重県・鈴鹿サーキットにて3月2日(土)〜3日(日)で開催されている「モースポフェス2019 SUZUKA」(モータースポーツファン感謝デー)だ。
これ以外にも、今年からマシンが生まれ変わるスーパーフォーミュラ、日本はもちろんだが世界中で注目されているスーパーGTのGT500マシン/GT300マシンやレーシングバイクなどが勢ぞろいしている。
これらのモンスターマシンを操るライダーやドライバーも豪華すぎるほど。ヤリスWRCは伝説とも言えるWRC4連覇を成し遂げたトミ・マキネン氏がステアリングを握り、佐藤琢磨選手はインディのウイニングマシンを、中嶋一貴選手はTS050 HYBRID、ホンダCBR1000にはジョシュ・フック選手が乗り込んだ。豪華ドライバー&ライダーが栄冠を勝ち取ったゆかりのマシンを操るという競演に、観客は大歓声をあげた。
そしてこの日一番グランドスタンドが盛り上げたのが、ヤリスWRCとCBR1000による特別デモラン。というのも、ヤリスWRCはトヨタの豊田章男社長が乗り込み、CBRにはホンダの八郷隆弘社長が乗っていたのだ。この粋とも言える演出に、この日会場に集まった4万人の観客からは割れんばかりの拍手が送られた。
豊田社長は「世界のレースで活躍するトヨタやホンダ、さらに日産やSUBARU、頑張っているプライベーターに対してもぜひ応援してモータースポーツを盛り上げてほしい」と言えば、八郷社長も「こうやって実際にサーキットに足を運んでもらってバーチャルではなく、五感でモータースポーツを感じてほしい」と伝えた。このふたりのビックゲストにより、2019年シーズンのモータースポーツ開幕宣言が告げられ、フェスの開催を最大限に盛り上げてくれた。