まるで鮭のように捨てるところなし! クルマのリサイクルの実態とは (2/2ページ)

リサイクル率が高くても長く大事に乗ることが一番のエコ

③自動車ガラ

 上記の「再使用部品」と「再資源化部品」を取り外した外枠状態を、鶏ガラならぬ「自動車ガラ」という。この「自動車ガラ」は、専用のシュレッダーにかけられ、鉄と非鉄金属に分類される。分類されたものは、有価金属等業者が買い取りリサイクルへ。これが全体の40~45%。

 これらは、先の「再資源化部品」と合わせ、「素材サイクル」という扱いになり、これが55~60%を占める。

④ASR(Automobile Shredder Residue)シュレッダーダスト

 有用金属を回収した後に残る、樹脂、ゴム、ガラスなどの粉砕クズをASR=シュレッダーダストという。これがおよそ17%残るわけだが、このシュレッダーダストからも有価資源を再分別したり、樹脂やゴムなどは助燃料として熱回収リサイクルに……。

 ちなみにASRの約75%は、樹脂やウレタンなどの可燃物で、残りの約25%は金属やガラスなどの不燃物。ガラス片などはタイルなどの材料に再利用される。

 こうして「再資源化部品」と「素材サイクル」からあぶれた、17%のASRも、熱回収リサイクルも合わせ、ほとんどがリサイクルされ、最終的に埋め立て処分等に回されるのは、クルマ1台分のうち、わずか1%程度しかない!

 というわけで、昨今のクルマのリサイクル率は驚くほど高いわけだが、リサイクル率を高めるには、細かな分別作業が不可欠で、その手間ひまは当然コストに跳ね返る……。

 分別コストとリサイクル品の価格は釣り合いがとれているとはいえないので、使用済み自動車はなるべく出さない方が効率はいい。

 いくらリサイクル率が99%といっても、気に入ったクルマに長く大事に乗ることが、一番のエコにつながることは間違いない。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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