悪路走破でも音を上げない頑丈さは流石!
「軽装甲機動車」は建機・重機メーカーとして知られる「KOMATSU」こと小松製作所が製造を担当する装甲車で、おもに普通科(歩兵)部隊や偵察部隊に配備。国際平和協力活動でも使用されている。固有の搭載火器はないが、上部ハッチから上半身を出して、5.56mm機関銃の車載射撃や軽対戦車誘導弾などの射撃が可能だ。
車重は約4.5tと重く最高速度は100km/h、全長×全幅×全高=4.4×2.0×1.9mというボディサイズで乗車定員は4人と少ないが、その分ゲリラや特殊部隊の攻撃を想定した軽度の防弾・防爆性能を確保。前後ともコイルスプリングを使用しており、サスペンション形式はフロントがダブルウイッシュボーン、リヤがセミトレーリングアームとなっている。
今回展示された3台はいずれも、一般公道の走行も考慮しつつ、戦場や被災地などの道なき道を乗り越えることを想定している軍用車だが、その足まわりは四輪リジッドではなく独立懸架が主流。各構成部品の厚さや大きさもあくまで車重相応という印象だ。
しかしながら、日常の任務ではこれらの運転を担当しているという説明員の方に聞くと、「詳しいメカニズムのことはわかりませんが、これらの車両で悪路を走行中にサスペンションが曲がったりして走行不能になったという話は聞いたことがありません」とのこと。軍用車の意外な一面を見た思いがした。