会場の地下から出発し一般道に繰り出せるというコース設定も
カリフォルニア州ロサンゼルス近郊ディズニーランドの隣にあるコンベンションセンターで毎年秋に開催される、オレンジカウンティモーターショーでは、会場の地下に試乗受付があり、そこから会場周辺の一般公道へ出て試乗ができるようになっていた。
トレードショーという、モーターショーの原点を考えれば、来場者に気軽に試乗できるコーナーを設置するのは当たり前といえば当たり前の話。デトロイトショーはアメリカのオートショーにしては、試乗コースはけっして充実していなかった。その部分も考慮して、来年からは6月開催に変更して試乗などを充実させていくようである。
はからずも、東京オリンピックの影響で今年の東京モーターショーは会場を分散して開催されるとのこと。会場で新車を販売促進する行為を事実上禁じるなど、トレードショーというオートショーの原点が完全に忘れられてしまっているのも、東京モーターショーの地盤沈下が止まらない理由のひとつと考える。せめて今回の分散開催を好機ととらえ、試乗コースの充実を行うなどしてもらえればと思うが、いまの硬直化した日本社会ではそのような柔軟な対応はなかなか望めないのかもしれない。