2019年の新車販売は日産がトップ2独占でスタート! それでも手放しで喜べない裏事情とは (2/2ページ)

一部車種だけが突出している日産の偏った現状

 ただ気になるのは、1月の日産としての新車販売台数は、2018年1月比で98.9%なのに対し、トヨタは103.9%となっており、しかも乗用車メーカーで前年同期割れしているのは、日産のほかスバルとマツダだけで、ほかのメーカーは総じて好実績となっている。

 少し前までは日産ノート、日産セレナに加えて日産の“売れ筋3本柱”となっていた日産エクストレイルは、前年同期比70.1%で登録車ランキング21位となっており、2位の日産セレナから日産エクストレイルまでに日産車は1台も入っていない。

 全軽自協(全国軽自動車協会連合会)統計による、2019年1月の通称名(車名)別販売ランキングをみると、3位に日産デイズシリーズが入っており、販売台数は前年同期比で132.8%となっている。ちなみに日産デイズシリーズは3月下旬に次期型車がデビュー予定となっており、1月下旬に現行型はオーダーストップ(新規にメーカーにオーダーを入れることができなくなる)となっている。

 今回の1月の結果をみると、確かにトヨタ・アクアやトヨタ・プリウスを押さえて登録車ランキングで日産ノートと日産セレナがワンツーフィニッシュになったことは大きなトピックではある。ただ正月3日から店を開け、稼働日数で差をつけても売れるのは日産ノートと日産セレナ、そして軽自動車の日産デイズシリーズぐらいしかないという、いまの日産の偏った国内販売の現状を顕在化させたといってもいいだろう。

 販売台数上積みのために自社登録(軽自動車は届け出)も積極的に行っていたことも否定はできないが、こちらは数カ月後の登録済み(軽自動車は届け出)未使用中古車や、いったんレンタカーやカーシェアリング用車両などとして登録されたあとに中古車として流通させる可能性もあるので、当該車両(ノート、セレナ、デイズシリーズ)の高年式中古車の流通状況を見ればはっきりするだろう。

 初売りを仕掛けるにしても、看板車といえるのは日産ノートと日産セレナ、日産デイズシリーズぐらいしかない。とくに登録2車については2018年度締め販売統計での登録車やカテゴリー別での販売台数トップ獲得も睨んで、メーカーや系列ディーラーも積極的に売り込んだのかもしれないが、いまの日産の国内販売で積極的に売り込みをかけても日産ノート、日産セレナそして日産デイズシリーズぐらいしか注目されないことを鮮明化してしまったともいえるのが、2019年1月の販売台数統計ともいえるだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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