後席と荷室が実用的で奥さまの日常使用でも苦情が出ないモデル
次期愛車を選んでいるファミリーマンにとって、大きな悩みのひとつが、本人はスポーツモデルが欲しいのに、家族の(というか奥さまの)同意が得られにくいことだろう。クルマにあまり関心のない家族にとってクルマの「スポーツ」というキーワードは、乗り心地が悪い、車内が狭い、燃費が悪い……というイメージが強いというわけだ。
そこで、見た目はフツーっぽいクルマなのに、ファミリーカーとして乗り心地や居住性、荷物の積載性に満足でき、しかし、1人になってその気になればスポーティーな走りを満喫できる、家族持ちでも、1台所有でもイケるとっておきのクルマたちを紹介しよう。
1)スズキ・スイフトスポーツ
その筆頭はスズキのスイフトスポーツ。略してスイスポである。見た目はごくフツーのコンパクトハッチバック。それもそのはず、ノーマルのスイフトはファミリーカーとしても適切かつリーズナブルなコンパクトカー。
しかし、内外装に関しては最小限のスポーツテイストを与えられているこのスポーツ、走ればゴキゲン。ほとんど欧州ホットハッチに迫る乗り味、操縦性、フットワーク、エンジン性能の持ち主。
6速ATを選べば奥さまがゆっくりゆったり走ってもまったく不満なし。もちろん、奥さまが気にするであろう先進安全支援機能や燃費性能も、2017年度JNCAP予防安全性能アセスメントで「ASV++(ダブルプラス)」を獲得した、優れた予防安全技術のスズキ・セーフティサポートを用意し、16.2km/Lの燃費性能、最小回転半径5.1mの小まわり性の良さなど文句なし。
しかも価格は不可欠なセーフティパッケージ装着車の6速AT・FFで199.26万円(6速MTもあり)と、1,4リッター直4ターボ、140馬力/23.4kg-mのパフォーマンス、17インチタイヤなどの装備を考慮すると、はっきり言ってバーゲンプライス。「次のクルマはスイフトにするよ」とだけ言って、スイスポを買う、これです!
2)ホンダ・シビック ハッチバック
多くの日本人、それも年齢が高ければ高いほど、ホンダのシビックというクルマをよく知っているはず。そのイメージは環境にやさしい日本の国民車、コンパクトカーだ(あくまで初代のイメージ)。
だから、「次期愛車をシビックにする」と言えば、ファミリーチックなクルマを買うと、家族は想像するに違いない。もっとも、英国で生産されている逆輸入車の現行シビックはインターナショナルなクルマであり全長4520mmはともかく、全幅は1800mm、つまりVWゴルフと同じぐらい幅広になっている。
逆に言えば、ファミリーカーとして、家族を十二分に満足させられる車内空間、後席居住空間、ラゲッジスペースを持っている、とも言える。
が、182馬力/22.4kg-mを発揮する、スポーツチューンされた1.5リッターターボエンジン+CVT(6速MTもあり)、18インチタイヤを履きこなす足回り、強固なボディー剛性がもたらす走りっぷりは、硬派にもほどがある!? 英国産スポーツハッチバックそのもの。
その上で、ホンダ最新の先進安全支援機能を完備し、このクラスのスポーツモデルにして18.0km/Lという燃費性能、大容量&大開口ラゲッジルームを備えているのだから、ある意味万能のスポーツハッチバックと言えるのだ。
気になる乗り心地は、さすがに固めだが、子供が泣きだすほどではない。日本車らしからぬ低重心パッケージによる低く身構えたスタイリングは、きっと奥さまも「カッコいい」と共感してくれるに違いない。舶来物好きの奥さまなら、英国生産、逆輸入車……というあたりもアピールポイントになる。