なんと300馬力の激速でも奥さまが納得できるモデルがある!
3)スバルWRX S4
世のなかの奥さまに、アイサイト=先進安全支援機能でも有名なスバルのクルマ、それもスバル最新の新世代プラットフォームを採用するミドルサイズセダン、インプレッサG4を愛車にする……と言って、反対される理由はほぼ見当たらない(実燃費性能ぐらいか→内緒)。
そのインプレッサG4を買うようなノリで、あまりクルマに詳しくない奥さまなら同じに見えそうな!? ピュアスポーツセダン、WRX S4を狙う手がある。そのエンジンスペックは300馬力/40.8kg-mという強力なもの。
しかしスポーツリニアトロニック=CVTで乗れる気軽さがある。18インチタイヤを履く、締め上げられた足まわりによる乗り心地はインプレッサG4の快適感とは異なるものの、そこは上質。
特筆すべきはハイパフォーマンスカーでありながら、驚くほど扱いやすいこと。多少の運転スキルがある奥さまなら、むしろ快感を覚えそうな、安心感に満ちた運転が楽しめるはず。
問題は2.0GTアイサイトの336.96万円からという、G4の最高額グレードより75.6万円も高い価格だが、そもそもG4の値付けがリーズナブルすぎるのだから、予算に余裕があるなら驚くほどのことはない。特別に仕立てられたWRXなのだから、むしろリーズナブルと考えるべきだろう。
4)スズキ・アルトワークス
家族に、奥さまに納得してもらえる、軽自動車のカテゴリーで選べる真正スポーツモデルの代表格がアルトワークス。5速MTのほか、出来はともかくとして2ペダルの5速ASGもそろう、ファミリー軽セダンのアルトに凝った専用チューニングを施した派生車だ。
ルックスそのものも軽自動車とは思えない精悍(せいかん)さだが、その走りはとにかく楽しく、痛快。ターボエンジンのパフォーマンスときたら、リッターカーなど敵ではない速さ。
山道ではヒラリヒラリとした安定感抜群の身のこなしを演じ、スポーツ度、走りの気持ち良さは軽自動車最上級。
もっとも、乗り心地はかなりハード。高速巡航中の車内の静かさもなるほど、特別なスポーツモデルらしさがある。それが家族に、奥さまに許されるなら、約150万円という値段はお値打ちにもほどがある。少なくとも実用性……という部分では、ノーマルの超実用車、アルトとそう変わらないのである。
5)ホンダ・オデッセイアブソルート
番外編としておすすめしたいのが、家族の、奥さまの反対を受けるはずもないミニバンのオデッセイ。しかし、スポーツグレードのアブソルートは、ライバルメーカーのミニバン開発者が「ミニバンの皮をかぶったスポーツカー!!」と声をあげた専用の足回りをおごるスポーツミニバンなのである。
デビュー当初の乗り心地は、だからハンドリング重視でけっこう固かったものの、熟成された今では乗り心地(快適性)とスポーツ性能のバランスが見事。家族を乗せてゆったり走れば、高級感溢(あふ)れる重厚な乗り味に満足できること必至。先進安全支援機能、ACCの作動もホンダ車としてハイレベル。
で、1人で山道を走れば、想定外の低重心、フットワーク、エンジンを高回転まで回したときの気持ち良さに驚くはず。一般的にはハイブリッド・アブソルートを薦めるが、ここでの話としては、もっともとがったガソリン車のアブソルートに尽きる。