デメリットは常に比較の対象となり優劣が語られること
では、負の要素は何だろうか? それは、世評がどう動くかではないか。結局、良し悪しも含め両車は常に比較の対象となり、優劣が語られることになるだろう。
しかし、これまで述べてきたように互いのメーカーの思惑を想像すれば、優劣の基準となるものは消費者の嗜好や選択にゆだねられるものであり、購入を希望したり所有したりしない者からの見解は、外野の声でしかない。そのことが、消費者や所有者の心を傷つけてしまいかねないとしたら残念な話だ。
あるジャーナリストは、スポーツカーが一台でも世の中に増えることが嬉しいと語っている。消費者の選択肢を増やす点で、それは正しい意見だろう。商品性において何か指摘すべき点があればそれは評論となり、進化への助言となるが、共同開発により似たようなスポーツカーがそれぞれのメーカーから登場したことを揶揄するのはいかがなものかと思う。また、気に入らなかったり、好きになれなかったりするなら、別の選択肢を探せばいいだけのことではないか。