MRスポーツならではのフィーリングを味わえるモデルが登場!
3)トヨタMR-S
スタイリッシュでわかりやすいスポーツカー的なルックスが人気だった前身モデルのMR2とはイメージを激変させ、主導ソフトトップを持つライトウェイトオープンカーとして生まれ変わる。エクステリアはややコミカルな路線に。性能面でもターボがなくなるなど、MR2的なスポーツカーを好んだ層からは支持されなかったが、乗ってみるとまごうことなきMRスポーツであることが実感できた。
NA(自然吸気)1.8リッターの限られたエンジンパワー(140馬力)をリヤタイヤで余すことなく路面に押し付けて走る感覚や、ドライバーを中心としてヒラヒラと舞うように旋回する走行フィールは、まさにMRスポーツならではの美点。パワーが少ないこともあって、前身のMR2の2代目前期型で酷評されたようなハンドリングがピーキーとなるMRのデメリットはまったく現れず、シーケンシャルセミATの採用もあって、どんなドライバーでもMRの気持ち良さが味わえるところも素晴らしかった。
エンジンフィール面では最低ランクに位置づけられた当時のトヨタの4気筒も、ドライバーの背後にマウントされると勇ましく感じられたのは意外な美点。騒音面では不利となるMRの特性を逆手にとって活かしたところも上手かった。