エンジン・AT・パワステまで大幅に進化した
室内で注目したいのは、ディーラーオプション設定の「DELICA D:5 オリジナル10.1型ナビゲーション」だ。この大画面は表示が4分割されており、均等割りから、1画面だけ拡大するなど表示レイアウトが自由に変更できる。実際に触ってみたが、直感的に操作でき非常に便利だった。新型デリカD:5を購入する際は装着を検討すべき装備といえるだろう。
走りの面ではまずエンジンが変わった。2.2リッターのクリーンディーゼルターボは、フリクションの低減、燃焼室の変更、次世代燃料インジェクターの搭載など、主要構成部品の約5割を改良したという。最大トルクは5%アップし、さらにディーゼルならではの魅力がアップしている。また、NOx対策として尿素SCRシステムを採用したことで、従来の還元剤に燃料を使うNOxトラップに対して燃費が向上、エンジントルクに変動がなく音の変動も少ないなどのメリットがあるという。
組み合わされるトランスミッションも、先代の6速スポーツモード付CVTから8速ATに変更。1速は従来の6速CVTに比べて約8%ローギヤード化、トップギヤは18%ハイギヤード化することで、全体として27%ワイドになった。これは、悪路走破性、高速燃費などの向上に効果を発揮する。
加えてパワーステアリングが油圧から電動になったことも大きな変更だ。すでにクローズドコースでプロトタイプ試乗が行われているが、その効果は圧倒的! 操舵フィールは大幅に改善されており、ダイレクト感も増した。
三菱のSUVシリーズがとくに力を入れる4WDシステムにも手が加わった。ヨーレイトフィードバック制御が新たに追加され、アンダーステアを抑制してドライバーのステアリング操作により忠実は車両挙動が実現されるという。
こうした大幅な改良が加わった新型デリカD:5だが、じつはマイナーチェンジなのだ。だが、フロントまわりのボディ構造にまで手が加わり、プロトタイプ試乗では、もはやフルモデルチェンジと変わらない走りの進化が確認できている。ファンはぜひ実車を試してほしい。