ヌイグルミと自動車の合体という斬新すぎるコンセプトも
きゃわゆいカー。あるいはぬいぐるみカーとも呼ぶべき分野が存在することは、皆さんご存じのことだろう。女性向けに開発された超フェミニン&ラブリーなクルマたちのことだ。
その源泉をたどると、いわゆる「女性仕様車」がその元祖。古くは60年代のブルーバードに、オルゴールを装備した「ファンシーデラックス」なるバージョンがあり、それが国産女性仕様車の嚆矢であるらしい(海外では不明。スマン)。ただし当初は、内装や装備を女性っぽくしたのみで、エクステリアデザインは標準車のままだった。
昔から男は、女装を恥ずかしいことと捉えるケースが多い。近年はジェンダー差別排除の流れもあり、一概にそういう目で見てはいけなくなったが、女性仕様車やきゃわゆいカーに乗ることを恥ずかしいと感じる男性はまだ多い。
そこで今回は、男が乗ったら恥ずかしいと感じる可能性の高いクルマを、5台ばかり選んでみた。
1)ダイハツ・ミラ ハローキティバージョン
女性仕様車の発展形として、つとに有名なのが、ダイハツ・ミラ存在した「ハローキティバージョン」だ(ムーヴにもアリ)。外観や内装に小さなハローキティがちりばめられていたが、キャラクターが小さいので、離れて見れば気づかない可能性もあった。
しかし、サイドのピンク色のキティちゃんはそれなりに目立つし、ソレがハローキティバージョンだとバレた瞬間のことを思うと、男が乗るにはかなりの蛮勇が必要だった。
2)ダイハツ・ムーヴラテ
ムーヴラテこそ、初の”デザインから丸ごと女性仕様”ではなかろうか。丸っこくてきゃわゆいデザインは、まさに元祖ヌイグルミカー!
ムーヴラテが登場した当時(97年)、私はそのデザインを見て、恥ずかしいというより気持ち悪くなってしまった。ヌイグルミと自動車の合体という斬新すぎるコンセプトに、三半規管が狂ってしまったのだ。青かったオレ。
いま振り返っても、ムーヴラテの極端なまでにきゃわゆいフォルムは、ぬいぐるみ系の頂点をいきなり極めていた。