通常の夏タイヤ同等のグリップ性能をもつ!
「冬も走れる夏タイヤ」。このキャッチコピーで登場したミシュラン・クロスクライメートに初試乗。テストコースに限られた試乗だが、このタイヤが冬を含めて一年中使えるのなら、これほど心強い味方はない、と素直に思う。
そもそも夏タイヤとは何か? ミニバンを含む乗用車系に純正装着されているノーマルタイヤがそれ。欧州車でも一般的にはそうだ。
冬も使えるという意味で、クロスクライメートもオールシーズンタイヤの一種と考えていいのだが、その生い立ちは欧州のウインタータイヤとして誕生している点に注目。低い気温と道路環境の違いから、欧州は滑りの原因になる水分の発生が少ない。滑りにくい欧州は冬でも高い速度域で一般路も高速道路も走行するため、走りの性能も夏タイヤと遜色ないレベルに仕上げられていながら、圧雪路レベルなら問題なく行ける。それが欧州ウインタータイヤの特性だ。
日本に置き換えると、圧雪まではカバーするが、気温がそれ以下に下がり凍結し始める地域、つまり積雪がある「降雪地域」ではスタッドレスタイヤの装着が必須。クロスクライメートは「非降雪地域」に向く。
個人的に数年前から冬はスタッドレスタイヤと欧州ウインタータイヤをテスト的に装着した。日本メーカーもあれば欧州メーカーの年もあったが、積雪がないに等しい、比降雪地域の住人には、この特性で十分である。しかも冬以降、春も夏も秋も履き続けて、十分な性能を持つことも確認済み。