お金のない若者がこぞって腕を磨いた! かつて走り屋たちに愛されたFF国産スポーツ車13選 (2/2ページ)

国産車でマニュアルモードつきのATを初採用したモデルも登場!

●日産

 スカイライン、フェアレディZ、シルビアを擁する日産には、FFスポーツのイメージは希薄だ。

 強いて言えば、初代プリメーラのP10。剛性の高いボディにロール剛性の高いサスペンションの組み合わせは、ヨーロッパのスポーツセダンのような味付けで、スポーティカー以上にスポーティなハンドリングが楽しめた。

 もう一台、5代目パルサー(N15)に、可変バルブタイミング&リフト機構のNEO VVLを備えたSR16VE(通称青ヘッド=175馬力)を搭載したVZ-Rや、2リッターのSR20を積んだオーテックバージョン、スーパー耐久レースのベース車両としてチューニングされた、VZ-R・N1(エンジンは、200馬力にチューニングされた通称赤ヘッド=SR16VEエンジン)やVZ-R・N1バージョン2というホットモデルもあったが、走り屋たちの認知度は低かった……。

●三菱

 三菱のFFスポーツというと、ワンメイクレースで有名なミラージュがある。

 国内では、シビックと並ぶメジャーなワンメイクレースで、有名ドライバーも多数参戦して熱戦を繰り広げられていたが、街の走り屋がミラージュを愛車にチョイスする例は稀だった。むかしのランタボ(ランサーターボ FR)や、ランエボ(4WD)のほうが走りのイメージは強い。

 というわけで、FFスポーツでは、FTOをプッシュしておく。ベースはミラージュだが、ホイールベース/トレッド比が1.68で、操縦性、機動性のいいディメンションを持っていて、エンジンも2リッターV6に可変バルブタイミング・リフト機構=MIVECをプラスしたNA200馬力の6A12型が載っていた。

 国産車で初めてのスポーツモード(マニュアルモード)付きのATを積んだのもFTO。クーペ・フィアット風の斬新なスタイリングで、ハンドリングが良いFFスポーツだった。

●その他

 変わったところでは、いすゞの2代目ジェミニ・ハンドリングbyロータス。DOHC1.6リッターエンジンは140馬力とやや非力だが、独自のニシボリックサスペンション(受動型トーコントロール付のリヤサス)をロータスがチューニングし、キビキビした走りに特徴があった。

 ダイハツの3代目シャレード(G100)も、挙動がわかりやすいコンパクトカーとして記憶されている。じつはサファリラリーにも参戦し、格上の2リッターターボ4WD軍団を打ち破って、上位に入賞も果たしている。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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