国産車でマニュアルモードつきのATを初採用したモデルも登場!
●日産
スカイライン、フェアレディZ、シルビアを擁する日産には、FFスポーツのイメージは希薄だ。
強いて言えば、初代プリメーラのP10。剛性の高いボディにロール剛性の高いサスペンションの組み合わせは、ヨーロッパのスポーツセダンのような味付けで、スポーティカー以上にスポーティなハンドリングが楽しめた。
もう一台、5代目パルサー(N15)に、可変バルブタイミング&リフト機構のNEO VVLを備えたSR16VE(通称青ヘッド=175馬力)を搭載したVZ-Rや、2リッターのSR20を積んだオーテックバージョン、スーパー耐久レースのベース車両としてチューニングされた、VZ-R・N1(エンジンは、200馬力にチューニングされた通称赤ヘッド=SR16VEエンジン)やVZ-R・N1バージョン2というホットモデルもあったが、走り屋たちの認知度は低かった……。
●三菱
三菱のFFスポーツというと、ワンメイクレースで有名なミラージュがある。
国内では、シビックと並ぶメジャーなワンメイクレースで、有名ドライバーも多数参戦して熱戦を繰り広げられていたが、街の走り屋がミラージュを愛車にチョイスする例は稀だった。むかしのランタボ(ランサーターボ FR)や、ランエボ(4WD)のほうが走りのイメージは強い。
というわけで、FFスポーツでは、FTOをプッシュしておく。ベースはミラージュだが、ホイールベース/トレッド比が1.68で、操縦性、機動性のいいディメンションを持っていて、エンジンも2リッターV6に可変バルブタイミング・リフト機構=MIVECをプラスしたNA200馬力の6A12型が載っていた。
国産車で初めてのスポーツモード(マニュアルモード)付きのATを積んだのもFTO。クーペ・フィアット風の斬新なスタイリングで、ハンドリングが良いFFスポーツだった。
●その他
変わったところでは、いすゞの2代目ジェミニ・ハンドリングbyロータス。DOHC1.6リッターエンジンは140馬力とやや非力だが、独自のニシボリックサスペンション(受動型トーコントロール付のリヤサス)をロータスがチューニングし、キビキビした走りに特徴があった。
ダイハツの3代目シャレード(G100)も、挙動がわかりやすいコンパクトカーとして記憶されている。じつはサファリラリーにも参戦し、格上の2リッターターボ4WD軍団を打ち破って、上位に入賞も果たしている。