スライド機構を使うことで荷室が広く使えるクルマも
ここからは、3列目席のスライド機構によって、3列目席を前に出すことで広々としたラゲッジスペースを稼ぎだせるミニバンである。
4)トヨタ・アルファード&ヴェルファイア
アルヴェルのラゲッジスペースは、スライドする3列目席が最後端位置だとフロア長で190mmしかない。キャリーバッグなど大きな荷物を複数個積むにはさすがに狭い。しかーし、その奥行きは3列目席のスライド位置によって最大560mmまで拡大。ラゲッジルームの幅は1330mmもあり、高さも1200mmあるので、かなりの荷物が積める。
5)日産セレナ
e-POWERで人気のセレナも3列目席がスライドする。3列目席が最後端位置でのラゲッジルームの奥行きは360mmと最小限ながら、3列目席を小柄な人が無理なく座れる位置まで前方スライドさせれば奥行きは最大480mmまで拡大。幅1170mm、高さ1220mmと、まずまずの広さになる。
ちなみに、最大4~5名で宿泊を伴うドライブに出掛ける場合は、3列目席を格納してラゲッジスペースを拡大すればなんの問題もないはずだが、定員乗車で宿泊を伴うドライブに出掛けるなら、それぞれの人がある程荷物をコンパクトにまとめる配慮が必要になる。合わせて、奥行きがなく、高さ方向に余裕があるわけなので、積み重ねられるような荷物にすればいいわけだ。参考までに、飛行機の機内に持ち込み可能なスーツケースのサイズは最大高さ55cm ×幅40cm ×奥行き25 cm(2辺の合計が115cm。飛行機によって異なる)。
もっとも、3列目席使用時のラゲッジルームの奥行きが25cmあれば、そのスーツケースが積めるわけではない。フロアの奥行きが25cmでも、3列目席のシートバックが倒れていることで角度がつくため、奥行き方向がグッと狭まり、縦方向にはまず積めないのだ。その点、誤解なきように。