SUVでも走りを追求! ホンダ ヴェゼルのモデューロXコンセプトの開発陣にインタビュー【大阪オートメッセ2019】 (1/2ページ)

ベースモデルの装備をあえて外しハンドリング性能を追求

 2月9日(土)より11日(月・祝)までインテックス大阪で開催中の「大阪オートメッセ2019」。3ホールのHonda/無限ブースの入り口には、1月31日に発売されたヴェゼルの1.5Lターボモデル「ツーリング」をベースに、ホンダアクセスがトータルチューンした「ヴェゼル ツーリング モデューロXコンセプト2019」が、乗り込みも可能な状態で展示されている。

 この新たな「モデューロX」に与えられた“味”は何か。モデューロX各車の開発を統括するホンダアクセスの福田正剛さん(写真左)と、商品企画を担当する川合聡史さんに聞いた。

──モデューロXといえば、タイヤの接地性を高めるためのエアロとホイール、サスペンションが定番ですが、具体的にはノーマルに対しどのような変更を施しているのでしょうか?

 川合:まずエアロは、モデューロX共通のX型フロントグリルを採用するとともに、前後バンパーはボディ下面の空気の流れを整える形状にしています。ヴェゼルではフロントに2本、リヤに1本のフィンを追加したほか、すでにディーラーオプションとして販売しているテールゲートスポイラも装着して、前後リフトバランスを整えています。

──ホイールに関してはいかがですか?

 川合:はい、今回も横方向と縦方向の剛性バランスを重視し、さまざまなものを試作しています。そして北海道の鷹栖にあるテストコースで、ノーマルのホイールも含めて走行テストし、もっとも良かったものを採用しています。

──ヴェゼルではデビュー以来何度もサスペンションの改良が施されましたが、それをさらに、どのようにチューニングしたのでしょうか?

 川合:モデューロXはノーマルよりもさらに上の高みを目指すのが大前提です。そのため、ノーマルにはザックス製のダンパーが採用されていますが、これをショーワ製としました。これにより乗り心地を改善しながら、クルマの姿勢が変化した後の収まりを良くしています。

 開発テストには鷹栖のうねり路を140km/hで通過し、高速周回路を180km/hで巡航するというメニューを設けていますが、これはノーマルにはないものです。そうした過酷な状況でも安定して走れるようセッティングしています。

 福田:姿勢が変わっても、それがシングルアクションですぐに戻ってほしいんですね。そうすればすぐに次のアクションに移れますから。これがダブル・トリプルアクション、つまり一度挙動を乱してからまた反対方向にオツリをもらい、さらにもう一度反対方向に振られてしまう……といった不安定な状態が続くと、それだけで500mくらいは意のままに操れなくなりますから、その時点で何かあったらアウトなんですね。

 ですから姿勢が変化したあとの収束性をよりリニアで早いものにするために、パフォーマンスダンパーはステップワゴンに続きヴェゼルでも外しています。

 SUVやミニバンといった背の高いクルマでも、サスペンションがスッと沈み込む感覚が欲しいんですよね。その結果、当社の女性スタッフに鷹栖を走らせたら、「高速道路の合流手前のらせんカーブを模した場所でも安心感がある」というコメントをもらえました。高速道路の合流って、女性ドライバーが恐怖感を感じやすい場所です。そこで安心できるというのは大きいと思います。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
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