国産他メーカーのディーラーに比べて値引きが渋いのは事実
いまクルマに興味のある人の間で都市伝説のように語られているのが、“マツダは値引きしない”とういうこと。少し前までは“マツダは値引きに消極的”とか、“マツダはなかなか値引きしない”などであったが、それにさらにバイアスがかかって拡散しているようだ。
筆者自身もマツダ系ディーラーを訪れた際に、「値引きはしたくない」といった話をしてくるセールスマンが目立つなあと思っていたら、マツダ系ディーラーで接客を受けた周囲の人間も同様の印象を持ったとのこと。マツダの販売現場が値引き販売に消極的な態度を見せていることは間違いないようだ。
新車販売について、値引きするのが当たり前とはいえ、マツダ系ディーラー以外のセールスマンでも積極的に値引き拡大して販売したいと考えているセールスマンはまずいない。ただ、それをお客に話してしまうため、多くのひとがマツダディーラーに違和感を覚えているようである。マツダのスタンスでは、「見た目や性能で優れるのだから積極的に値引き販売する必要はない」というもののようだ。
先日南カリフォルニアを訪れた際に、現地の新車販売に詳しい知人が「ここのところこの辺りでもマツダ車の人気の高まりが目立っている」と話してくれた。
マツダの2018暦年締めでのアメリカでの販売台数は30万325台で前年比プラス3.7%だ。他メーカーでは前年比マイナスが目立っているだけに、好調なのは統計数字からも明らかとなっている。セダン系の販売不振が深刻となっているが(他メーカーも同傾向)、その分CX-5をメインにSUV系がフォローし、さらに前年比プラスになるまで好調に売れているのである。
ただこのアメリカ市場では、車種によってはマツダとはいえ値引き販売を積極的に行っている。南カリフォルニアのマツダ系ディーラーの一部では、すでに新型が発表されている「マツダ3(アクセラ)」の場合目玉として、2018年モデルについて、3000ドル(約32万円)のキャッシュバックや、1.9%低金利ローンなどのスペシャルオファーが付き、販売されている。
アメリカでは対象車種はかなり限定されているが(モデルチェンジ直前の末期モデル状態など)、積極的な値引き販売も行われており、値引きをまったくしないという訳ではないが、他ブランドに比べれば値引きには慎重な姿勢が目立っている。
なお、メキシコやベトナムなどの新興国市場の富裕層の間でもマツダ車は好んで乗られており、世界的に人気の高いこともまた確かな話である。