車いす取り付け作業にかかる時間を3分に短縮
トヨタはJPN TAXI(ジャパンタクシー)の既販車へ、無償で車いす乗降機能に改善を施すことを発表、また2019年3月に発売予定の一部改良車両の車いす乗降機能についての内容を明らかにした。
2017年10月23日に発売したJPN TAXI(ジャパンタクシー)だが、車いすの乗客やタクシー事業者から、車いす乗降用スロープの設置作業が複雑で、困難な状況が生じているとの声が多く寄せられた。実際車いすの取り付け作業は10分でできるとして発売されたが、15分ほどかかるなどの声もあったとのこと。そこで今回トヨタは、既に販売した車両に対する車いすの乗降性を高める改善を2月より進めていくことを決定した。
具体的には、組立作業を簡略化した車いす乗降用スロープなど、改善部品への交換や、作業が簡単にわかるラベルを各箇所に貼付けるなど、習熟度によって作業時間に大幅な差が出ないような工夫をし、スロープ設置から車いすの固定などにかかる時間を4分程度に短縮したとのことだ。
既販車向けの詳しい改善内容は以下
●スロープNo.1(歩道など段差がある場合は単独使用)
・固定ベルトをつなぐカラビナ(金属リング)を提供
●スロープNo.2(歩道など段差がない場合の延長用)
・脚を組立式からスライド式に変更車
●いす固定ベルト、車いす用延長シートベルト
・リヤフロアに設置可能で、部品が取り出しやすい収納ポケットを配布
●ラベル貼付け
・作業が簡単に分かるラベルを各箇所に貼付け
さらに、2019年3月発売予定の一部改良車両には、車いす乗降用のスロープ構造の見直しに合わせて車両側にも改良を加え、作業時間を3分程度に短縮しているという。スライドドアの開閉時間短縮や料金トレイの位置を下げるなどの使用性も見直すとともに、衝突回避または被害軽減をサポートするプリクラッシュセーフティが、昼間の歩行者も検知できるようになる。
一部改良車両の車いす乗降機能等についての内容は以下
●スロープNo.1(歩道など段差がある場合は単独使用)
・折り畳み3枚折りから、2つ折りに変更
・収納袋を廃止し、リヤシート下フロアに直接設置
・フロア固定バンドをワンタッチ式ロックに変更
・長さを延長
●スロープNo.2(歩道など段差がない場合の延長用)
・折り畳み構造から樹脂一体ステップに変更
・スロープNo.1との結合ピンを廃止し、載せるだけの結合方式に変更
●車いす固定ベルト、車いす用延長シートベルト
・リヤフロアに常設し、カーペットのポケットに収納
●ラベル貼付け
・作業が簡単に分かるラベルを各箇所に貼付け
メーカーによると「今後もお客様の声に耳を傾け、より多くの方に喜んでいただけるタクシーの実現を目指して改善を続けてまいります。」との事。
既販車(改善前)
一部改良車両