「良くなり過ぎた」がゆえに楽しさを失った現代のクルマ
今のクルマは品質もとてもよくなって快適だし、スポーツカーであればパワフルだし、誰でも高いレベルの走りを安全に楽しむことができるようになった。でも、なんだかつまらない……、昔のクルマのほうがパワーはなかったけど楽しかった、という声もよく聞く。
クルマはよくなっているのに、なぜだ!? まったくもって贅沢な話に聞こえるが、じつはワタクシ、近藤も常々思っていたところ。ことあるごとに各メーカーの技術者とディスカッションしてきたテーマだけに、ここにその理由をまとめてみたいと思う。
まず基本にあるのが、良くなり過ぎたことだ。ホントに贅沢な話ではあるが、スポーツカーに静かさ、快適性が必要なのかという問題にもなる。昔のクルマはガーガーうるさかったが、それがクルマの鼓動であり、アクセルを通した一体感につながっていた。