モーグルのような悪条件でも走破する高い実力を体感
特設コースはモーグルコースとパイロンスラローム、急坂道の登坂および降坂そして定常円旋回路で構成されている。まずはモーグル路。20センチ以上の段差で凹凸が作られたコースでは前後1輪が対角で浮き上がり通常なら発進が困難なシチュエーションを想定している。ティグアンはSUVらしく180ミリと余裕のある最低地上高を活かし、底打ちすることなくモーグルに進入できる。
車輪の対角浮きが発生すると前輪が空転。すかさすハルデックスが後輪にも駆動力をかけるが、後輪も1輪が浮き上がっているので空転。4輪駆動といえども脱出が難しい状況になる。だが4モーションはここで空転輪に個別にブレーキをかけ、接地側の車輪に駆動力をかけて難なく脱出することができる。ドライブモードはコンソールのダイヤルスイッチを使い即座に変更可能。雪道ではスノーモードを選択するが、モーグルのような悪条件ではオフロードを選択することでトラクションコントロールを完全にオフにして力強い駆動力を与えることができるようになる。
パイロンスラロームではステアリングの効きの良さと前後オーバーハングの短いデザインが取り回し性の良さを感じさせてくれる。スノーモードではライントレース性がよくスムースにクリアでき、安定して安全性が高い。オフロードモードにしてパワーをかけていけばダイナミックな4輪スキッド姿勢を造り出せアクティブに走れるが、トラクションが強ければ車速が高まり過ぎて旋回が辛くなるのは基本通りだ。
続いて坂道コースへ。傾斜度20度ほどの人工的な坂道だが、路面が磨かれてミラーバーンのスリパリーなコンディション。登坂の途中で一旦停止させヒルホールドさせえ再発進。トラクションコントロールとハルデックスが滑り具合に応じて適切なトラクションを引き出し、再発進もスムースに行えた。
下り場面ではヒルディセントが強い味方となる。30km/h以下の速度でブレーキ操作で降坂速度を決め、あとはペダルから足を離してステアリングに集中することが可能だ。4輪個別にブレーキが掛けられるので進行姿勢が乱れず安心感が高い。
最後の定常旋回ではスノーモードとオフロードモードの特性を確認できた。スノーモードでは操舵応答が確保され、車速を上げずにライントレース性を高める。オフロードモードではダイナミックに4輪パワースライドさせスピンコントロール。パワードリフト姿勢も可能だった。ティグアンTDI4モーションはこのように特設コースでも余裕のある走破性を示し、トゥアレグに勝るとも劣らない悪路性能を持たされていることが確認できた。