レーシングドライバーの中谷さんがMT操作を練習したのは商用車!
3位:ケーターハム160
ご存じ、英国の名車であるケーターハムにスズキ・エブリイのパワートレインを移植し軽自動車枠に収めた国内専用モデルだ。エブリイという商用車のパワートレインを使ったことでFR(フロントエンジン/リア駆動)レイアウトが可能となりミッションレバーもフロアから直接伸びていてダイレクトな操作感がある。
エブリイ用の設計だったためトランスミッションそのもののスポーツ性は低いが、490kgしかない軽量な車体に対して十文以上の剛性がありタフに扱えるのは魅力だった。
4位:ホンダ・ステップバン
何を隠そう僕がMTの操作を徹底的にトレーニングしたのがステップバンだった。1972〜74年に生産販売された現代のトールタイプボンネットワゴン軽の走りとなったモデル。
当時は商用車であり4速のMT仕様だったが、SOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)のクロスフローヘッドというホンダらしいスポーツカー並みの燃焼室形状を持ち最大トルク6000回転以上、最高出力8000回転以上で発揮されるという高回転型エンジンを搭載していた。それだけにシフトワークを多用しないと早くスムースに走れず、ヒール&トウも必須だった。
シフトリンケージはダイレクト感が乏しく、節度感も弱くてシフトミスを誘発しやすかったが、慎重かつ正確にシフトするトレーニングとするには適していたといえる。
5位:スズキ・フロンテクーペ
1971年に登場し1976年まで生産されていたモデル。わずか360ccのパワーユニットは空冷の3気筒で3連キャブレターを装備。当時、オートバイのスズキ・GT380を彷彿させるエンジンサウンドと加速時に吹き上げるスモークが特徴的だった。
普通自動車に対向できる動力性能と僅か1200mmと低い全高、RR(リヤエンジン/リヤドライブ)というレイアウト/デザインでコーナリング性能はレーシングカーのようだった。トランスミッションは4速のMTだったがペダルレイアウトにこだわりヒール&トウがしやすい設計。こんなにも操ることを楽しく感じられる軽は二度と現れないだろう。