いま自動車界でもっとも注目される技術だけど……そもそも自動運転のレベル0〜5って何? (2/2ページ)

運転以外のことができるのはレベル3以上

■レベル3

 レベル3は「条件付運転自動化」と訳された。自技会の日本語訳にある定義を記すと長くなるので短くすると、「限定された領域においてすべての動的運転タスクを実行するシステム」といえる。ドライバーはシステムの監督をすると同時に、限定された領域外では動的運転タスクを渡されることになるので、その対応ができるよう準備しておく必要がある。

 具体的には高速道路など限定されたシーンにおいてすべての運転を車両側に託すことはできるが、いつでも運転できるように構えていなくてはならないレベルというわけだ。スマートフォンを利用したり、映画を見たりすることは可能だが、居眠りをすることはできない。このレベルまではプロトタイプとしては存在しており、市販も近い。

■レベル4/レベル5

 そして、レベル4は「高度運転自動化」、レベル5は「完全運転自動化」という名称が与えられた。レベル4とレベル5の違いは前者が限定領域での自動運転となるのに対して、後者は限定なしとなること。いずれも、すべての動的運転タスクはシステムが担うのでシステム起動中においてドライバーは何もやることはない。あくまで乗員の一人に過ぎない。

  

 こう書くと、レベル4とレベル5には違いがないようにも見えるが、ポイントはレベル4が限定領域となっていること。たとえば高速道路という限定領域では自動運転を実現していても一般道ではマニュアル運転となる場合はレベル4となる。

 実際問題、レベル4の自動運転については運転免許保有者が乗員にいることが必要で、運用として中途半端になってしまうため、レベル3の次は一足飛びにレベル5の実用化に向かうというのが技術トレンドだ。

 なお、プロモーションとして無人でクローズドコースを走行できる自動運転車もあるが、プログラムされたルートを走っているだけのケースもあり、レベル5の自動運転車と呼ぶには不適切なこともあるので注意が必要だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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